馬の前に、馬

馬券下手が競馬をすれば、いかに負けるかを実証

大阪杯 G1初挑戦トリオンフを買いたくなってきた!レース映像を確認して「強い!」と思ってしまった・・

 今回のメンバーの中で力量が推し量れない馬が1頭だけいます。小倉大賞典を制して初めて一線級と顔を合わすトリオンフです。

 トリオンフについては一部で最大の隠し玉とか遅れてきた大物、秘密兵器とか言われています。
 金鯱賞に出ていたら実力の目安もある程度はっきりしたのですが、金鯱賞を回避したため、依然ベールに包まれたままです。

 私もこのメンバーで通用するはずはないと一笑に付していたのですが、レースが近づくに連れて気になりだしました。

 話しは変わりますが、昨年も未知の魅力に溢れてG1戦線に挑んだ2頭の馬が思い出されます。
 1頭はシャケトラです。初の重賞となった日経新春杯でミッキーロケットとクビ差の叩き合いで惜敗、続く日経賞ではゴールドアクターディーマジェスティのG1馬を撃破して1着になりました。
 天皇賞ではキタサンブラックサトノダイヤモンドに次ぐ3人気の支持を集めましたが、9着と大敗しました。その後もG1ばかり使われましたが、宝塚記念4着、秋天皇賞15着、ジャパンC11着、有馬記念6着と全くと言っていいほど通用しませんでした。

 もう1頭がマイルと中距離のG1を目指したグレーターロンドンです。重賞勝ちこそありませんでしたが、破竹の5連勝で安田記念に駒を進めました。このレースでは豪脚の片鱗を少しだけ見せましたが、勝ち負けには加われず4着まで、秋の天皇賞は9着と大敗しました。前走の東京新聞杯では1人気で9着と惨敗、この日曜のダービー卿Cで仕切り直しです。

 上記2頭の例を出すまでもなく、隠れた大物と評された馬のほとんどがG1レースでは力不足が露呈して底が割れるのが相場となっています。

 さてトリオンフに戻りましょう。
 父はタートルボウル 母はメジロトンキニーズ 母の父はダンスインザダーク
 栗東の須貝厩舎の管理馬で4歳のセン馬です。
 タートルボウルは当初種牡馬として注目もされましたが、まだ活躍馬を出しておらずトリオンフがJRA初の重賞勝ちです。残念なことに昨年心不全で亡くなっています。
 母のメジロトンキニーズは34戦3勝、重賞レースも多く経験、3400mのダイヤモンドS2着など主に長い距離に適性があり晩年は障害レースを使われました。
 
 馬主はKTレーシング 馬主歴は浅いものの、セレクトセールで高額の馬を競り落として注目されています。
 
 トリオンフのレース映像をじっくり見ました。
前走の小倉大賞典は好位5番手あたりから徐々に進出、4コーナーを回って直線に向いたら早々と先頭に立ってさっと引き離し2馬身半の差をつけて楽々とゴールしました。このレースは重賞とはいえ他のメンバーとのレベルの差が歴然としており、あまり参考にはならないように感じました。それでも断然の支持を集めて断然の競馬をするのは簡単なことではありません。

 惹きつけられたのは2走前、3走前、共にエアウィンザーを寄せ付けなかったレースです。直線の序盤で先頭に躍り出て一瞬で差を広げる加速スピードです。4コーナー2番手からの正攻法の危なげないレースぶりには目を見張りました。3走前は上がりも最速です。2着のエアウィンザーは2歳時の共同通信杯で3人気なるほど(結果6着)の評判馬で今後重賞に参戦してくるだろうと思われるかなり強い馬です。
そのエアウィンザーに2走前が2馬身、その前が3馬身半の差をつけています。
昨年の秋から体重もぐっと増えて成長力も半端ないようです。

 レースを見れば見るほどトリオンフに心が傾いて来ました。この馬はホンモノかも知れないと。

 トリオンフは一昨年の夏、函館の1800m芝で新馬勝ち、続く札幌2歳Sでは11着と大敗しました。
 3戦目のこぶし賞も7着に終わりました。
 このあと去勢手術をしたことが功を奏し、昨年の夏の小倉戦からは見違えるように上位安定の走りに変わりました。

 ここ2走は川田が乗っていましたが、今回の鞍上は田辺です。意外性のある騎手だけにあっと言わせる大仕事の期待が膨らみます。

 良い面ばかり強調しましたが、G1はそんなに甘いものではありません。克服すべき課題もあります。前走の54キロから3キロ増の57キロを背負います。また近走は平坦コースばかり使われており、中山の直線の坂でレース巧者ぶりを発揮できるのかは未知数です。G1には全く実績のないタートルボウル産駒というのも不安材料です。
 そして経験の差という見えない壁です。

 いざ馬券を買う段になって揺らぐかもしれませんが、今はトリオンフを買いたい気持ちでいっぱいです。