「全てがうまくいった。こういう展開が一番チャンスがあると思っていた」という蛯名騎手のコメントがレースのすべてを物語っていました。
それにしても、史上空前の3強決戦というふれ込みは何だったのでしょうか。
まあ競馬ではよくあるのですが、、。
日曜の朝、雨の中をいつものように近くのコンビニで日刊スポーツを買いました。
1面トップの大見出しは「哲三 一番の輝き ダイヤモンド」とあるじゃないですか。
佐藤哲三元騎手は追い切りのトップ評価にサトノダイヤモンドを挙げていました。「豪快な走りに繊細さを兼ね備えている」と、嬉しいなあ!
大スポの仕掛人上田氏はサトノを「問答無用の強さ」と(上田氏はマカヒキとの3連単マルチで的中)、日刊ゲンダイの新谷記者は「終わってみればサトノ1強だったと、、」。
サトノダイヤモンドを推すプロたちの記事を何度も読み返して、身体の中に染み込ませます。
私のような思い込みではなく、それぞれが根拠を提示してくれています。
サトノについては、3戦無敗と言っても対戦相手に恵まれたとか、きさらぎ賞からの直行がどうのという批評も見受けられたので少々心配もありました。でも記事を読んで不安もやわらぎました。
単純でしょ。まあ素人ですから。
この日の中山競馬場は一時雨が降ったようですが、幸い良馬場を保っています。
その代わり、かなりの強い風が吹いていました。
風のいたずらで何かが、、。 少しちらつきました。
レースは思わぬ展開で始まりました。デムーロのリオンディーズが早くも2番手につけます。
かかったのか、先行策なのかは分かりませんが、明らかにハイペースの感じです。
1番人気ルメールのサトノダイヤモンドは中団の位置に構えています。川田のマカヒキは後方3番手です。
向正面の長い直線は逆風というのに、1000mのラップは58秒4、中山の2000mでは速過ぎます。
この流れが大きく影響しました。
リオンは3コーナーを待たずに何と先頭に立ちました。そのまま4コーナーを回ります。サトノダイヤモンドも射程圏に取りつきました。直線に入ってリオンが外によれて、武豊のエアスピネルとサトノの馬体がぶつかりました。
その時、ピンク帽の1頭が外から猛然と迫って来るのが見えました。
道中は後方5番手辺りにいた蛯名騎乗のディーマジェスティです。風のように一瞬で差しきりました。続いてマカヒキが追い込んで2着、サトノは3着が精一杯でした。4位入線のリオンディーズは降着で5着となりました。
勝ちタイムは1分57秒9のレースレコードで、蛯名騎手は一昨年のイスラボニータに次ぐ皐月賞2勝目をあげました。管理する美北・二ノ宮調教師は初の皐月賞制覇です。
またディープインバクト産駒の皐月賞優勝は初めてで、今回は上位をディープ産駒が独占しました。
ディーマジェスティは共同通信杯で6番人気でしたが、強豪のハートレーを大敗に追いやり、今回の皐月賞では3強を撃破と大物食いをいかんなく発揮しました。ダービーではもちろん主役の1頭に駆けあがりましたね。
また蛯名騎手というのは、ここ一番に勝負強くてまさに野武士のような存在です。
昨年のエリザベス女王杯でも6番人気の伏兵マリアライトでヌーヴォレコルトを下すなど、毎年のようにG1 で勝利を重ねています。
うーん。今回は辛うじて3連複が的中したこともあって、桜花賞の時のようなショックは逃れましたが、どうもすっきりしません。
サトノダイヤモンド圧勝というブログを書きたかったのです。サトノは強くて精密機械のような馬、あのシンボリルドルフのイメージを抱いていました。
またもや自分の目利きのなさを痛感しています。
テレビを見ている限りでは、直線の不利はかなり大きかったように感じたのですが、実際はどうだったのでしょうか。
ダービーで巻き返してくれるのを願うばかりです。
早い時点から3強、3強とメディアに煽られた感もありましたが、終わってみれば3強の上には超強がいたということになりましたね。
ハートレーに競馬をさせなかった馬なのに、恐らく大外18番枠が嫌われての8番人気だったのでしょう。単勝が3090円もつくなんて。
競馬というのは往々にして、こういう盲点をついてきますね。
いずれにしても皐月賞の結果を受けてダービーが一層面白くなりました。
ダービーのキャッチフレーズは何になるのかな?