「何とも魅力に欠けるなあ、、。このメンバーでお客さん集まるの? これでも優勝すれば6700万円か、、」
とこんな声が聞こえてきそうです。
芝3000m で行われる阪神大賞典は、伝統と格式を誇る春の天皇賞の前哨戦です
出走馬には申し訳ないのですが、今年の11頭の顔ぶれを見渡してみて何とも寂しい印象を隠せません。
G1 馬は菊花賞馬のトーホウジャッカルだけで、そのジャッカルも夏の札幌記念で大敗して以来の出走です。
2000年以降を振り返ってみると、クラクラするような凄い馬たちがこのレースを制しています。
2000年がテイエムオペラオー、01年02年はナリタトップロード、06年にはあのディープインパクトも、13年、14年、15年はゴールドシップの3連覇と話題に事欠きませんでした。
そうそう12年はオルフェーヴルが大きく逸走して2着に盛り返すという珍事もありましたね。
また20年前の1996年には今も語り継がれるレースもありました。 ナリタブライアンとマヤノトップガンの長くて壮絶な一騎討ちに、6万人をこえるファンで場内がウォーというどよめきに包まれました。4コーナーからゴールまで馬体をびっしり合わせたままで、勝ったブライアンとマヤノは僅か頭差で3着は離れること9馬身、競馬史上最高のマッチレースと言われています。このレースは生で観戦したので、私にとって阪神大賞典にはとても思い入れがあるのです。
近年の古馬の王道路線は中距離志向が強く、長距離を避ける傾向が色濃くなってきています。
秋は天皇賞、ジャパンカップ、有馬記念という目標があるのに対して、春は海外を視野に入れる有力馬が増えました。
3200m の春の天皇賞の威光が薄くなるのはオールドファンにとっては淋しく感じられます。
これも時代の流れで仕方がないのかも知れません。
さて今回の出走馬で唯一のG1 馬トーホウジャッカルは菊花賞でお世話になった好きな馬ですが、今回はデムーロ騎手でも半信半疑です。
もし復活出来れば嬉しい限りですが。
勢いを感じる馬と言えばシュヴァルグランしか見当たりません。この馬は3歳の春までは目立つ成績もありませんでしたが、昨年の秋に距離を伸ばしたら2400m でポンポンと3連勝、どれも最速の上がり脚で一躍注目されるようになりました。
前走はレーヴミストラルの鬼脚に屈しましたが、2着は確保しました。3000m も恐らく苦にはしないと思いますので、重賞初制覇となれば天皇賞でも主役の1頭に名乗りをあげることになるでしょう。
不安点があるとすれば、まだ強い馬を倒しての勝利がないことです。
アドマイヤデウスは昨年の今頃は日経新春杯、日経賞を連覇してG1 でも有力視されました。しかしこの馬G1 ではことごとく不運に見舞われます。春の天皇賞が17番枠、秋の天皇賞が18番枠、ジャパンカップが17番枠と大外の枠になってしまいました。
前走の京都記念では3着と復調してきており、今回は去年の大外枠のうっぷんを晴らすチャンスです。
タンタアレグリアは昨年の菊花賞4着がよりどころです。前走の3400m のダイヤモンドS は一番人気に支持されたほどです。結果は4着も馬場の悪さが影響したとのことです。
カレンミロティックも成績にムラはあるものの、昨年春の天皇賞では見せ場たっぷりの3着でした。
確たる軸は不在に感じていますが、シュヴァルグランがステイヤーとして羽ばたくステップのレースになれば今後の楽しみになります。
一方でトーホウジャッカルの復活にも期待しますが。
阪神大賞典としては低調なメンバーと嘆きましたが、ぜひともレース内容で大いに見返してもらいたいものです。