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馬の前に、馬

馬券下手が競馬をすれば、いかに負けるかを実証

桜花賞 止まり木ブルース やったぜ!健坊  久々の快挙 分厚い配当だ!

 日曜の夜、バー「再会」ではさぞかしのドンチャン騒ぎが遅くまで繰り広げられたことでしょう。

 止まり木ブルースでお馴染みの健坊が桜花賞3連単で久々に息を吹き返しました。
 待ってました。おめでとう!健坊。

 土曜日発行の日刊ゲンダイに連載中の止まり木ブルース。塩崎利雄さんによる同時進行競馬小説です。連載が始まったのは1986年ですから、今年でなんと30年になります。
 まさに競馬小説の「金字塔」と言っていいでしょう。
 私も大のファンで欠かさず読んでいます。

 舞台は東京、品川の商店街にあるバー「再会」、 生まれてこのかた定職についたことのない遊び人の健坊が主人公です。

 会社や世間に縛られている多くの競馬ファンからすれば、真逆に位置する自由気ままな健坊の生き方はある意味羨望であり、強烈に惹かれるのかも知れません。私もその一人です。
 
 根っからの博打好きの健坊は決まった収入もないのに、毎週、毎週、日曜のメインレースに大口の金額を張ります。
 概ね人気馬を軸にした買い方です。
 かつては1000万円をゆうに超える配当を手にしたことがありましたが、このところは極度の不振に陥っていました。滅多に当たりません。お世辞にも馬券が上手いとは言えません。回りもそう思っているのですが、健坊の前では口をつぐんでいます。
 有り金を全部突っ込むため、毎週のように溶かしてしまって、スッテンテンのすっからかんになってしまいます。

 普通ならそこで人生ジ・エンドとなるのですが、そこは健坊ならこそです。面倒見がよくて情に厚く、裏の世界にも顔がきくとあって多くの人たちが健坊を慕っています。
 毎週のように健坊に助け船をだす人物が現れて馬券代を工面します。
 この辺がこの小説の真骨頂です。

 一週前の大阪杯ではキタサンブラックを軸に3連複的中で18万を約38万にして兆しが見えてきました。
 そして今回の桜花賞です。
 健坊はメジャーエンブレム、シンハライト、ジュエラーの3頭で堅いと考えて全額3連複1点で大丈夫とうそぶいていました。
 しかしスプリングS でロードクエストの頭固定の失敗から今回は慎重になったようです。

 ここからは本文を引用します。
 「こうしねえか・・・⑤⑫⑬の3連複を10万買って、⑤と⑬を1,2,3着に置いて2着に⑫、3着のところに⑦⑩⑫⑮を入れて、2頭、3頭、6頭のフォーメーション馬券16点に1万円ずつでいこう」と健坊。
    (日刊ゲンダイ止まり木ブルースより)

 つまり3連複⑤⑫⑬を10万円

    3連単フォーメーション
   ⑤⑬
   ⑤⑫⑬
   ⑤⑦⑩⑫⑬⑮
      16点✖1万 16万円

 結果はご承知のように、メジャーが飛んで⑫シンハライトに⑬ジュエラーが襲いかかって並んだところがゴール。3着には⑩アットザシーサイドが伸びてきました。
 
 どっちだ!健坊一家の面々も息がとまったことでしょう。
 
  頭は⑤と⑬なので⑫シンハライトが勝っていたら、馬券は全て紙くずです。
 スローでみても分かりません。
 
 長い写真判定の間、そこでどんな会話がなされていたのでしょうか。
 着順掲示板に13が灯った時の面々の喜ぶ様は想像に難くありません。
  3連単⑬→⑫→⑩ 20330円

 26万円が203万円に化けました。
 本当に久々の快挙です。
 その夜のバー「再会」での詳細も今週末に描かれるでしょう。楽しみで、楽しみで。

 作者の塩崎利雄さんは、止まり木ブルースの以前に、長編小説「極道記者」を書かれています。
 競馬小説の最高傑作と言われる作品で、作者自身に通じる本格派のギャンブル小説です。
 最初から最後まで痺れっぱなしで、若い頃に夢中で読んだものです。

 さて今週末は皐月賞ですね。
 強力3頭の激突で盛り上がっています。
 個人的にはルメール騎手のサトノダイヤモンドと思っていましたが、桜花賞のメジャーエンブレムのことがあったので自信も消滅しました。
 思い込みを排除して、今一度白紙の状態から予想をスタートしてみます。