東京競馬場の開幕週は、日曜日に毎日王冠が行われます。秋の中距離あるいはマイルのG1 につながる見逃せないレースです。距離が1800m だけに、G1 馬4頭を含む多彩な顔ぶれが登場します。
出走予定13頭のうち、ディープインパクト産駒がなんと10頭も占めます。まるで父ディープの品評会のようです。ディープ以外の3頭もアグネスタキオン、フジキセキ、ダンスインザダークですからすべて祖父はサンデーサイレンスとなります。
休み明けが大半で、路線の違う馬が多くて各馬の比較が相当難しいレースと言えそうです。
上位人気となりそうなのは、
8戦7勝の快速エイシンヒカリ、
昨年秋の天皇賞馬スピルバーグ、
昨年の皐月賞馬イスラボニータ、
3歳馬でラジオNIKKEI 賞馬アンビシャス、
G1 初挑戦で安田記念2着のヴァンセンヌ、
札幌記念を制して本格化のディサイファ、
あたりです。
毎日王冠はマイル志向の馬たちも活躍しているレースです。ダイタクヘリオスやシンコウラブリー、
テレグノシス、スーパーホーネットなどが代表例です。今年のメンバーの中では、安田記念でモーリスにクビ差に迫った末脚が印象的だったヴァンセンヌを軸にしたいと思っています。 (重賞レースは外れてばかりですが)
ところでこの毎日王冠が分岐点となった馬で、忘れられないのが2009年の覇者カンパニーです。
カンパニーはそれまでG1 に挑戦すること実に12回、そのうち掲示板が8回という善戦ぶりでした。
しかし、その年すでに8歳で、もうG1 を勝ちきるのは無理だろうと個人的には思っていました。
しかし毎日王冠で断然人気のウォッカを差しきった時は驚きました。
カンパニーは続く天皇賞でも5番人気ながら、再びウォッカを3着に退け、13回目のG1で 悲願 を達成しました。JRA 平地G1 勝利の最高齢の記録でした。さらにマイルチャンピオンシップにも出走、堂々の一番人気に応えるかのような圧勝ぶりでした。カンパニーのラストランでした。
生涯最後の2戦でG1 連覇、6年前はカンパニーと横山典騎手を祝福するかのような秋の紅葉でした。