3歳クラシック菊花賞の前哨戦として、祝日の月曜日はセントライト記念が行われます。
来週は西で神戸新聞杯、この2つのレースで菊花賞の行方がかなり見えてきます。
私にとって、このセントライト記念には忘れることのできない苦い思い出があります。もう15年近く前になりますか。勝利した馬でなく、負けた馬から教えられたことです。
自分の中では「セントライト記念の教訓」と名付けています。
その馬は後にビッグレースを立て続けに制覇しました。今は種牡馬としても一流で、産駒には多くの活躍馬がいます。
その馬の名は「マンハッタンカフェ」。
2001年、マンハッタンカフェは皐月賞やダービーには出走がかないませんでした。しかし夏の札幌競馬場で頭角を現し、古馬相手に500万、1000万クラスを鮮やかな差し脚で連勝しました。蛯名騎手で距離はいずれも芝の2600mでした。典型的な夏の上がり馬という位置付けでした。
そして迎えたセントライト記念、マンハッタンカフェは3番人気に推されていました。二本柳騎手に乗り替わっていましたが、札幌での強さが目に焼き付いており、私は自信を持ってマンハッタンを軸にして勝負しました。ところがです。
いつもより前を進んだマンハッタンは4コーナーでは3番手、さあこれからと期待するも、直線で伸びを欠いて4馬身半も離された4着に終わりました。
ひどくガッカリしたのを覚えています。
でもここからが教訓なのです。本番の菊花賞です。再び蛯名騎手が戻ったものの、セントライト記念の敗戦で人気も離れた6番人気に過ぎませんでした。私もセントライトの見せ場のない走りに失望して、軸には考えもしませんでした。
ところがどっこい、本番では後方から徐々に上がっていって、直線では鮮やかに差しきって他馬を寄せつけませんでした。下した相手もジャングルポケット(4着)、エアエミネム(3着)、ダンツフレーム(5着)などそうそうたる馬たちが含まれています。
マンハッタンの単勝が1710円も付きました。後から思えば信じられない高配当でした。
私はセントライト記念に輪をかけて落ち込みました。
同時に競馬そして馬券の難しさ、奥の深さを学びました。
マンハッタンの話はまだ続きます。
なんと次走の有馬記念でも圧勝しました。
さらにオマケがあります。
翌年の日経賞で1番人気ながら6着に惨敗しました。しかしながら、本番の春の天皇賞ではまたもや快勝しました。
長く書きましたが、セントライト記念といえば、マンハッタンカフェの教訓が頭をよぎります。
さて今回のレースでは、マンハッタンカフェの子が1頭出走するんですね。
ロッカフェスタ、成績は2戦2勝と未知の可能性は感じますが、こういう戦績の馬の評価は迷いますね。まだ強い馬とは戦っていませんから、騎手が前日のローズステークスを制したルメール騎手でもどうでしょうか。不安と期待が入り混じりますね。
抜けた一番人気はダービー2着のサトノラーゼン、元々優れていた自在性にパワーが付きました。
続いて人気を集めているのはブライトエンブレム、2歳の夏からクラシックが意識されていました。他にも小倉記念で2着と健闘したベルーフ、北島サブちゃん所有が話題で皐月賞3着のキタサンブラックなどか注目を集めています。今回はいわゆる夏の昇り馬はおらず、一見すると比較的堅い決着になりそうですが、どうでしょうか。
菊花賞を見据えて楽しみましょう。